君がいる、僕がいる、嘘じゃない。
触れている、浸透している。
僕達はお互い欲しかったものを重ねた。それは君で、君はやっぱり僕で1つでありたいと思った。でも、出てくる不純物だってあって、それを好きだからとかそんな上っ面なものだけで認めることは心の一部分では到底無理だった。
だから重ねあっているなかでも、少しの隙間もあるのは事実であり、浸透している癖に混ざりあってはない。
僕は黄瀬君の笑顔がまさにそれを煽っているようにしか見えない。
繋がって曖昧になっているそこにひびを入れたり、くっつけたり、君は一体どうしたいんだ。
誰かに笑いかける笑顔が僕の心を揺さぶる。
負けてはいられないと僕もそんな誰かに優しい君に笑いかけてやる。
そんな余裕の僕に君は一体何を思う?
また煽って、ひびを混ぜ混んで、そんなことをしたところで変わりはしない。
だってそこが僕が君に思ってる溝なのだから。
君がいくらそんなことをして僕の心を測ったりしたって、そんなことをする度にそこを主張するだけであるものは変わらないんだ。
僕たちは完璧には一つにはならない。なる必要がない。
だってその方が平坦な所に置かれるよりも退屈じゃないことを知っているから。
僕たちが一つ一つであることが分かることができるから。
分かり合おうと出来るからだ。